助産婦薬理ノート
妊娠とクスリ[4]
斎藤 太郎
1
1共立薬科大学
pp.877
発行日 1982年10月25日
Published Date 1982/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206110
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フロセミドまたはフルセミドというクスリがラシックス®という商品名で販売され,降圧利尿剤としてしばしば処方されています。お医者様に,良く効くなあと思うクスリは,とききますと,ラシックス®とただちに答えがはね返ってくるほどドラマチックに効くので有名ですが,このフロセミド(ラシックス®-ヘキスト社)について妊娠とのかかわりあいを勉強しましょう。
フロセミドは,妊婦のうっ血性心不全や慢性腎症の症状に用いられています。塩分排泄を促進して,母体の血管内液量を減らし子宮胎盤の還血流が減少します。そのため,産科の患者には十分注意して用いなければなりません。妊婦にフロセミドを投与する場合,特に十分な注意が必要です。上に述べたように血液量の減少によって,子宮の血流量を減少させるので,胎児に影響がでてきます。当然,胎児を注意深く観察しなければなりません。
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