研究・調査・報告
若年者の性意識の現状について—札幌市内におけるアンケート調査と社会環境調査から
谷 久子
1
,
井上 キミ子
1
,
村松 宰
2
1北海道大学医学部附属助産婦学校
2北海道大学医学部衛生学教室
pp.405-412
発行日 1982年5月25日
Published Date 1982/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206022
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はじめに
最近,若年者の妊娠,中絶,売春など性に関する問題がセンセーショナルに騒がれている。とくに20歳未満の中絶は優性保護統計(厚生省)によると,昭和51年13,042件,昭和54年17,084件と,全国的に増加の傾向にある。中でも北海道衛生統計年報によると人口千対比では,昭和51年全国平均0.8に対し,北海道3.9,札幌4.8と,北海道,札幌ともに高値を示している。
このような状況は,将来母子保健業務に携わろうとしている私たちにとって,目をそらしてはいけない事実である。この現実にどう対処していけばよいのだろうか。その糸口をさぐるべく,私たちは,若年者をとり巻く社会環境や,彼らの性に対する日常の考え方について調査・研究をすすめてきた。その結果に基づいて"性"についての母子保健活動のあり方を検討したので報告する。
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