私と読書
育児観の問い直しを迫られる—「ジョリー博士のこども学」を読んで
野中 玲子
1
1佐賀県立衛生専門学院
pp.975
発行日 1981年12月25日
Published Date 1981/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205946
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現在は情報化時代であり,若い母親はさまざまなルートを通じて,多種多様な育児知識の洗礼を受けている。しかし,一方では都市化や,核家族化による生活構造の変化に伴い,相談相手もなく育児に不安を持つ母親がふえているのも事実である。
本書は,1978年に出版された『ジョリー博士の育児書』に続く本であり,著者がイギリスのタイムズ紙に,一般のお母さん方むけに連載した「育児のメモノート」をまとめたものである。小児科医としての育児哲学の真髄が盛りこまれ,育児とは本来自然の人間的なメカニズムの中で行なわれるもので,最も常識的なものであるという視点から,具体的に書かれた本である。
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