特別記事
貴女なら,どうお答えになりますか—子宮摘出術への不安・疑問を想定して
品川 信良
1
,
馬坂 洋子
2
,
金沢 美枝子
2
,
酒井 美津子
2
,
嶋中 典子
2
,
三上 洋子
2
,
三崎 直子
2
,
林田
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
2弘前大学医療技術短期大学部助産学特別専攻科
pp.743-753
発行日 1981年10月25日
Published Date 1981/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205912
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この原稿は9月1日,"変なもの"と称して品川教授より編集室宛に送られてきたものです。読み進んでいくうちに私はうなってしまいました。確かに論文という枠ぐみから考えれば"変なもの"には違いありません。いわゆる研究調査でもなければ,ケース・レポートでもありません。ちょうど新聞や雑誌でよく見かける,健康相談の欄を思い起こしていただけばよいかもしれません。しかし,その内容は実に多くの示唆に富んでいます。富士見病院事件からちょうど1年が経過しました。産婦人科医療への不信はその後もくすぶりつづけています。この事件を契機に,患者に対する説明義務がいかに大切であるか,再認識された方も多いかと思います。マスコミではさまざまな角度からこの事件が論じられましたが,いま考えてみれば,この論文が提起している説明義務という視点からの具体的検討は,見事に欠落していたように思います。そこを衝いた卓抜なアイデアに私はうなってしまったのです。ここでは子宮摘出術に焦点が当てられています。さらにほかのテーマについて,皆さんで同じように仮想問答を作成してみてはいかがでしょうか。まずは御一読を。
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