新刊紹介
人類遺伝学入門(第2版)
大浦 敏明
1
1大阪市立小児保健センター
pp.394
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205854
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大倉博士は半田順俊博士とともに,わが国における遺伝相談ネットワークづくりに長年努力され,多大の功績のあった人である。本書はそのような立場から,主として臨床医を対象として書かれた人類遺伝学の解説書であるが,研究者や医学生のためにも好個の教科書である。
人類遺伝学の教科書として,かつて駒井卓博士の『人類の遺伝学』(1966年)があったが,今手許の両者を比較して,約15年の年代差を興味深く感じさせられた。15年前と比較して遺伝子と染色体のメカニズムがより明らかになり,人類の理解のための人類遺伝学は,医学の研究と日常の臨床の中に確乎たる地位を占めるに至った。遺伝相談などはすでに,医療の一部とさえなっている。また人類遺伝学の知識は,医学のみならず,看護,助産,保健活動などパラメジカルの分野でも急速にその必要性が広まっている。
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