書評
—大倉 興司 著—「人類遺伝学入門」
青木 康子
1
1東京都立公衆衛生看護学院助産婦科
pp.615
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204784
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人間の本質を理解する手がかりとして
血液型不適合妊娠によるいわゆるイエローベビーやサリドマイド児,フェニールケトン尿症,ダウン症候群などが世間の注目をあびるようになって,精神病や奇形などに結びつけて暗い話題であった遺伝も,身近かな問題として語られるようになった。
さらに羊水によって胎児の性別や染色体異常のチェックが可能となるにおよんで,母子保健にたずさわる人々は,これらに対する正確な知識と意見をもたずにその業務を遂行することは困難になりつつある。しかし,遺伝に関して系統だって学ぶ機会も少なく,適当な参考書もみあたらないまま,トピックス的に得られる知識を頼りに指導や相談にあたっているのが現状である。
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