研究・調査・報告
沐浴の適温(温度)測定に対する一考察
岩沢 彰子
1
,
大槻 静子
2
1東北大学医学部付属病院産婦人科
2東北大学医療技術短期大学部看護学科
pp.561-567
発行日 1980年8月25日
Published Date 1980/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205750
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1.はじめに
近年,母子保健活動の目ざましい発展に伴い,医療施設内での保健指導も向上の一途をたどっていることは周知のとおりである。沐浴に関してみると,多くの研究者が指摘しているように,その意義には極めて大きいものがある。しかし,沐浴に関する研究の多くは清潔と臍帯脱落との関係で占められ,保健指導内容面からなされたものはほとんどない。わが国では沐浴は特に好まれ,一般に広く受け継がれてきているが,その習慣的行事を科学的見地に基づいて指導してゆくことはわれわれに課せられた責務であろうと考える。
沐浴時の湯の温度の測り方は,従来から温度計を用いるか,もしくは肘の感覚でちょうどよいと感じる程度がよいとされてきた。現在市販されている育児書でも,表1に示すように,温度計もしくは肘が最も多く使われているが,実際にこの方法で良いのか否か,肘と手では相違があるのか否かを褥婦385名,学生66名を対象に実証的に調査したので報告する。
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