インターホン
待つ心
関山 みどり
1
1都立公衆衛生看護専門学校保健学科
pp.137
発行日 1980年2月25日
Published Date 1980/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205673
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ただ今,結婚3年目。去年の夏,準夜勤務中に,切迫流産となり日ざしの強い焼けるようなべッド上で自宅安静。それもむなしく初回妊娠は流れてしまった。
そして,この8月の末から月経が2か月間ない。これは「妊娠疑いなし」と大喜びだった。食事にしても,身のこなしにしても気を配り,それはもうはりきっていた。「Passive smoking」の害から胎児を守るのだと,夫には帰宅後禁煙を協力してもらい,早々と両親,友人へ連絡した。何が何でも妊娠と決め込んでいた。分娩棟で勤務していた時から自分の分娩の時には夫を分娩室に入室してもらい,母と父とでの分娩への参加を考えていた。共に親となる喜びをわかち合い,夫に新しい命の生まれてくるあの感激を知ってもらいたいと思っていた。夫が子供の出生から父親としてのかかわりをもつことは,それからの父親と子どもの関係に望ましい影響を与えると思われる。また,核家族の場合,しかも施設で分娩する妻にとっても,夫の精神的な支えが果たす役割は大きいと思う。
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