研究・調査・報告
心疾患患者の予後調査
村山 ヒサエ
1
,
五十嵐 典子
2
,
清水 伸子
3
1新潟大学医療技術短期大学部
2新潟鉄道病院
3三条済生会病院
pp.469-478
発行日 1979年7月25日
Published Date 1979/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205576
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はじめに
近代産科学および心臓外科学の発達に伴い,心疾患を合併して妊娠,分娩する例も増加の傾向を示しており,その方面での研究も数多く発表されている。しかし一方では問題点も残されており,心疾患合併妊娠,分娩,産褥の管理については,ますますその重大性が深まってきている。
今回私たちは,これらの婦人が無事に妊娠,分娩を終了したにもかかわらず産後急死した例や,あるいは退院後状態がおもわしくなく緊急心臓手術を行なった例を経験し,今日なお大きな問題をもっていることを知った。そこでこれらの婦人における退院後の家庭生活状態や,合併疾患がどのような状態にあるのかの予後調査の必要性を痛感し,その実態調査を行なったので概略を報告し,心疾患を合併した妊産褥婦の管理および問題点など考えてみたい。
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