研究・調査・報告
月経中間期徴候のスクリーニング的検討
菅沼 美奈子
1
,
内山 和美
1
,
三井 政子
1
,
川井 浩
1
1京都大学医療技術短期大学部
pp.286-292
発行日 1978年5月25日
Published Date 1978/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205375
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月経中間期徴候を家族計画に活用するために,性周期記録表を用いて,女子学生による半年間の観察を行なった。記録表とアンケートの集計の結果,次のことが明らかとなった。
①中間期徴候のうち,家族計画上価値の高いものは,帯下,腹痛,乳房徴候および性器出血であり,その中で最もすぐれたものは帯下であった。②帯下の観察状況は,年齢等身体的条件による差を認めなかった。③帯下の出現時期は,月経時を除く全期間のうち,排卵周期頃をピークとして,月経直後および月経前とに3峰を示した。④排卵周辺期頃の帯下の特徴は,透明な粘液であることで,これを更に粘液栓と頸管粘液に識別するためには,透明度と色の判断は容易であるが,牽糸性と粘稠性の識別には具体的な指導が必要であり,更に湿潤感は,注意深い観察力と訓練の必要性が予想された。⑤今後の課題として,i.調査対象年齢の拡大と指導法の改善により,観察率の実態把握と促進をはかること,ii.粘液徴候の予告性について検討をすすめること,が必要である。
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