特集 月経異常とその診断
中間期出血と代償月経
高木 繁夫
1
,
川村 俊夫
1
Shigeo Takagi
1
,
Toshio Kawamura
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.117-121
発行日 1970年2月10日
Published Date 1970/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204160
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はじめに
生理的に月経という周期的子宮出血を有する婦人においては,性器および性器外の器質的変化に基づく場合はもとより,内分泌系あるいは血液系その他の障害によるとみなされる機能性出血を含めて性器出血はきわめて特徴のある症候の一つである。しかしそれらの出血量,持続期間,出血時期,その他の相違によつて生理的な月経と区別し,また子宮以外の臓器出血においては,それの周期性を証明して月経との関連を明らかにした上,適切に診断することは必ずしも容易でない。今日,月経周期が間脳,下垂体,卵巣系を主軸とした婦人の周期性変化の現われの一つであり,子宮内膜における一定の形態学的,あるいは生化学的の集積像であることについては疑いの余地はない。したがつて,以下に述べる中間期出血性格的には周期的な性器出血に属し,代償月経が周期的な性器外出血に属するともみなされるが,ここでは便宜上別々に取扱うことにする。
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