私と読書
生殖器をめぐる健康障害とその援助法—「生殖器疾患患者の看護」を読んで
戸舘 かつ子
1
1国立仙台病院附属看護助産学校助産婦科
pp.658
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205291
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人間の身体を構成している諸器官を大別すると,1つは個体の保存をつかさどるものであり,他は種族の保存をつかさどるものであって,生殖器とよばれる。生殖器以外の臓器はそれほど著しい性的差異を示さないのであるが,生殖器においては,男女の差異は大である。このため,形態的,機能的に異なる男女の生殖器の疾患をもつ患者の看護については,従来いっしょに論ぜられることはなかったのではないかと思う。
形態的,機能的に性的差異の大きい臓器とはいえ,「生殖」に関与するという点において生殖器は,男女共通の目的をもって存在する臓器であるといえる。このような発想から医学書院刊行の疾患別看護双書No.14「生殖器疾患患者の看護」が編集されたのであろう。
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