施設レポート・3
全人的総合医療の理想に向かって—大阪・淀川キリスト教病院 ペリネータルセンターの働き
横尾 京子
1
1淀川キリスト教病院
pp.374-378
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205225
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1.はじめに
淀川キリスト教病院(YCHと略す)は,昭和29年米国南長老教会(プロテスタント)によって設立された病床数172床の総合病院です。その目的は,キリストの愛の精神と近代医学によって,肉体的・精神的・社会的苦痛をもつ人々を癒やすことにありました。この創立のこころは,YCHの医療活動に今なお反映されており,中でも,医療社会事業部や伝道部の働きには独特なものがあります。
医療社会事業部は,病院創立時より設けられ,ソーシャルワーカーが医師や看護婦らの協力のもとに,患者の療養生活を妨げる社会的・心理的問題の解決に努めています。また,伝道部では,患者が病床にあって一切を神に任せ静かに療養生活ができるように,さらに,この病を契機に,自己の魂の問題として生きることの意味やその道がどこにあるかを見い出されるように,という願いから毎日の朝礼拝や病床訪問などを行なっています。必要な場合は,これらの医療社会事業部・伝道部・医務部・看護部などがチームを形成して,1人の患者のケアーをすることも容易に可能です。
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