産科MEの基礎と実際・5
超音波断層法・その2—〔産科出血と骨盤内腫瘍,および超音波洗浄装置〕
室岡 一
1
1日本医科大学産婦人科
pp.314-319
発行日 1977年5月25日
Published Date 1977/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205210
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
§1 流産
妊娠初期の出血は,流産・子宮外妊娠・胞状奇胎の3つが代表的なものである。この鑑別診断に超音波断層法は極めて役だつ。
流産では子宮腔内のGS(円環状映像)が崩れかかっていたり,子宮下部の頸管近くに位置してくる。子宮腔内にGSがあるということが大切であり,またGSの形態が異常になっていることに注意する。逆にいえば,出血があっても,GSがしっかりした円環状で,しかも子宮底に近く位置していれば,流産予後は良好と考えてよい。図のGSは崩れかかっており,流産した。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.