研究・調査・報告
助産婦における抗HBs-Ag抗体陽転率について
大島 秀子
1
,
大和田 信夫
2
,
天谷 初夫
3
,
高橋 綾子
3
,
藤井 紀子
3
,
水上 景子
3
,
田波 洋
3
1群大馬学医学部付属助産婦学校
2群大馬学医学部付属助産婦学校付属病院産婦人科学教室
3群大馬学医学部付属助産婦学校付属病院中央検査部
pp.668-671
発行日 1976年11月25日
Published Date 1976/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205126
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1.はじめに
病院職員のうち,医師,看護婦,検査技師などは,直接,間接に肝炎患者に接する機会が多いため,職場において肝炎ウイルス(とりわけHBウイルス)に感染する危険が高いものと考えられている。
天谷・他(1975)の調査によると,大学病院の医療系職員のうち,内科系の医師,看護婦および検査技師におけるAnti-HBs抗体の陽性率は,健康一般人(主として供血者グループ)のそれとほぼ同率で,両者の間に有意の差が認められなかったが,外科系の医師,看護婦,とくに助産婦間にAnti-HBsの陽性率が高いことが注目された。このことは,分娩介助がHBウイルスによる感染の危険が高い業務であることを暗示している。私たちはこの点をより明らかにするために,Anti-HBs陰性の助産婦の年間陽転率の調査を行った。調査はまだ続行中であるが,これまでに得られた成績をここに報告したい。
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