特別寄稿
沖縄県多良間島の医療事情と分娩介助者
華表 宏有
1
1琉球大学保健学部疫学研究室
pp.388-394
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205065
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南海の孤島・多良間島のアウトライン
沖縄県には1975年現在,大小あわせて40の有人島が存在している。これらの島嶼から南・北両大東島を除いた38の有人島は,それらの間に散在している20余りの無人島といっしょに琉球諸島を形づくっている。この琉球諸島はその北東に連なっている薩南諸島(鹿児島県)と一体となって,太平洋側に弓なりに曲がった琉球弧を形成し,南西諸島と総称されている。
多良間島は沖縄島の中心,那覇市からおよそ360km離れたところにある。宮古島と石垣島のほぼ中間に位置しているが,宮古諸島に属している(図1)。那覇空港から石垣空港に向かう南西航空のYS-11に乗ると,宮古島上空を通過したあと15分ほどすると,右側の窓を通して多良間島とその向こうに水納島が見えてくる。写真で見るように多良間島は楕円のハスの葉をぽっかりと浮かべたような形をしている(図2)。よく見ると,海岸線は白い砂浜でぐるりと囲まれ,その外側を色あざやかなサンゴ礁が幅ひろくつつんでいる。
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