私と読書
鋭い感受性がもたらした美—「棟方志功—その画魂の形成」を読んで
磯谷 友栄
1
1北海道立旭川高等看護学院
pp.188
発行日 1976年3月25日
Published Date 1976/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205012
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ある人の伝記,一代記などを書く人は,読み手が,書かれている人物の生き様に感動したり,興味を持ったりすることを好むのだろうか,その表現力の素晴しさに感嘆することを好むのだろうか,と愚にもつかぬことと知りながら考えることがあります。「その表現力が優れているから,書かれている人物が大きく浮き出されて人の心をとらえるのさ。そんなこと今さら考えるなんて」と一笑に付した人がいますが,それがものの道理なのでしょう。でも私は何年か前に求めた,「棟方志功—その画魂の形成」を手に取るたびに考えてしまうのです。著者には失礼ながら,小高根二郎氏が書かれた本ではなく,棟方志功の本という認識なのですから。
ところでタイトルにあるような画魂などという何やら得体の知れない,崇高なものは,どのようにして形成されるものなのでしょう。3つのエピソードをあげています。
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