特集 家族計画指導を考える
産褥入院中の家族計画指導について
能田 アサ子
1
,
浅野 水器子
1
1徳島大学医学部附属病院分娩部
pp.23-26
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204601
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1.家族計画指導上の問題
家族計画指導を具体化するにあたり,昭和46年2月,入院褥婦を対象としてアンケート調査を行なった。114名の回収結果は次のようであった。
①初・経産別受胎調節実行率(図1) 経産婦の実行率は79.7%と高率であるのに比し,初産婦は23.4%と低く対照的である。これは第1子分娩後受胎調節開始する人が多いことを示している。 ②子供はもういらないと答えたのは,初産婦は6.4%であるが,経産婦は経産1回の人では58.3%,経産2回では87.5%と高率に出産計画を終了している人が増加している(表1)。 ③中絶率は分娩回数が多くなるほど高率となり,出産間隔を中絶により処理していると思われる(表2)。分娩後1年以内妊娠による出産を受胎調節失敗によるものが多いと仮定するならば,経産婦は50%近くが受胎調節失敗の経験を持っていることになる。 ④知識は本・雑誌によるものが高率で,専門家の指導機会に恵まれない人が高率であるのは問題である(図2)。
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