あんてな
吹き荒れたPCB母乳汚染旋風
近 寅彦
1
1厚生省母子衛生課
pp.61
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204293
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3月15日,大阪府が0.7ppmという世界でも類をみない高濃度のPCB母乳汚染を発表して以来,PCB問題は連日,新聞,テレビなどのマスコミをにぎわし,国会でもきわめて活発な論議が展開された。これに呼応して通産省はじめ関係の各省庁はただちにPCBの使用規制や廃棄物の回収などの対策に着手し,PCBの生産も6月には全面的に中止され,使用も回収可能な閉鎖系のトランスやコンデンサーなどのみに限るなどの措置がとられてきた。
厚生省では環境衛生局と児童家庭局が中心となり,早急に母乳や食品の汚染状況調査,食品中のPCB安全基準の設定,PCB廃棄物の回収体制の整備,人体への影響についての研究などを行なうことをきめ,母乳汚染対策委員会などの関係分野の専門家よりなるプロジェクトチームや省内連絡会議などをつくり,迅速に対策をすすめることとした。
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