北から南から
この子にも目の輝き 母子保健一筋に
pp.72
発行日 1971年10月1日
Published Date 1971/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204243
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"生ける人形"と4年間
胎児性水俣病に代表される"生ける人形"といわれる重症心身障害児。しかし,この子らのうつろなひとみにも,喜びや悲しみが宿ることがある。国立療養所再春荘の看護婦岩下絹子さんにとって,物言わぬ子らの目の輝きは,なにものにもかえがたい喜びだ。
岩下さんは,43年に国立熊本病院付属高等看護学院を卒業と同時に,再春荘に新設された"重心病棟"に勤務した。「自宅から通えることと中学時代の友だちがいっしょに働くということで,ここを希望しました。そのときは,とくに重心児と取り組むという決意はなかったと思います」とけんそんする。
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