特集 新生児黄疸
助産婦のための新生児黄疸概論
島田 信宏
1
1北里大学病院 産科
pp.10-16
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204098
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正常な新生児黄疸
新生児のほとんどすべての症例にみられる新生児黄疸は,最も強い時期が生後4日であり,少なくとも生後10日には可視黄疸(眼でみて黄色いことがよくわかるような黄疸)はほとんどなくなる。最も黄疸が強いといわれる生後4日は,血液中の総ビリルビン値は約10mg/100ml前後であり,イクテロメーター値もNo. 3.5以下である。これがだいたい,正常な新生児黄疸の姿である。
そして,どこまでが正常範囲であるかという上の限界を求めると,今日では血中総ビリルビン値は15.0mg/100mlをこえないこと,生後14日(2週間)以内に黄疸は消えているという2つの条件があげられる。この範囲内にある新生児黄疸は,私達は正常範囲であると考えてよく,また,この条件をこえる新生児黄疸,すなわち,血中総ビリルビン値が20.0mg/100mlもあるような症例は「高ビリルビン血症」Hyperbilirubinemiaと呼んで区別され,病児として管理されなくてはならない。また,生後2週間以上もつづく黄疸は,「遷延性黄疸」として,胆道閉鎖,肝炎などの検査が必要となってくる。
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