特集 新生児・乳児の栄養
離乳の上手な進め方
水野 清子
1
1愛育研究所
pp.28-34
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204011
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はじめに
最近では,乳幼児栄養に対する世間一般の関心は非常に高まり,調乳や離乳の方法にしても,乳の改良やベビーフードの発達に伴ってかなり簡単になったので,昔のように母乳不足を知らないでミルクをたさなかったり,離乳が非常におくれたために栄養失調にしてしまったり,お誕生近くなって母乳の分泌が悪くなってからあわてて固形食を急に沢山与えて消化不良症を起させ,遂には乳児を死に至らせたりするような不幸な例はほとんどみられなくなった。
しかし乳児が7,8ヵ月を過ぎてもまだ乳だけしか与えられていなかったために発育がおくれ,抵抗力が衰え病気にかかりやすくなるというような例は,今でもないわけではない。正しい離乳の進め方が乳児の成長発育と健康に与える影響がいかに大きいかを考えると,乳児の保健指導にたずさわる方々は,その正しい知識と方法を会得しておく必要があろう。
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