グラフ
さいはての助産婦
川上 重治
pp.2-8
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203964
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どういうわけか,施設分娩急増の波は,僻地にもおとずれて,さいはての地,ここ北海道においても,冬期,雪に閉ざされた中で急に産気づいた時以外は,ほとんど自宅分娩はなくなった。
施設分娩とは,単に「建物」をさす言葉ではない,にもかかわらず大きな病院へ,産院へ,押すな押すなの大盛況となっていて,わずか1名の,それもいたりいなかったりの当直もしないような頼りがいのない医師……。とすれば,助産婦はてんてこまいどころか,大黒柱としてチームリーダーとして悲痛な面持で分娩をこなしてゆくわけだ。たとえば今年新卒のAさんは4月からの3ケ月間に,自分ひとりで200例をとり上げたとか………まさにパンク寸前である。
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