「おんなの書」評
人生の詩集—江間 章子 編著—
若林 恵津子
pp.54-55
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203706
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たそがれの清い光は
朝早く蒔きちらしたものをすべてあつめる
羊をあつめ
山羊をあつめ
母のふところに幼児をかえす
サッフオ 上田敏訳
今月は少し趣を変えて,1冊の詩集を紹介しようと思う.「ほんとうの詩の一篇は万巻の小説の重みにも匹敵するものだ」とは,この本の著者のことばであるが,働いている私たちは忙しい日常のあけくれ,トルストイやドストエーフスキーの長篇をじっくりと読みこなすという重みのあるまとまった時間はなかなか持てるものではない.
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