ソ連・東欧を旅して
病人と女性の天国
上坂 冬子
pp.33-37
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203425
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ソ連・東欧と,共産圏ばかりを2カ月ほどまわってきましたが,その感想を一口でいえといわれたら,「病人天国」とでもいいましょうか.
横浜を発って丸2日間船にゆられてナホトカに着き,ナホトカから16時間荒野のなかを汽車で走ってハバロフスクにつき,ハバロフスクから9時間も飛行機にゆられてくたくたになってモスクワに着いた時,正直にいって私はガッカリしたのです.人々の衣服は実に貧しいし,食べ物は3日前から放り出してあったような固いパンだし,なあんだ,革命以後50年もたったというのに,まだこんなに遅れているのか—と.
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