分娩体験記
大切な分娩にのぞむ心がまえ—2度の分娩を体験して
大川 ひろ子
1
1武蔵野赤十字病院耳鼻科
pp.42-43
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203170
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□□初産はつらく,2度目は軽いといいますが
下の子も,もう6か月をすぎ,早や離乳中期に入っているこのごろ,フトふり返えってみますと分娩を境に,生まれた後の日のたつことのなんと早いことか.子ども二人に毎日おいたてられているからよけい早く感ずるのでしょうが,なににつけてもこの二人の子どもを通してであり,この子のときは,あの子のときは,と比較しています.それがよいか悪いかはともかく,それぞれの分娩について感じたことを書いてみたいと思います.
総じて,初産はつらく二度目になると軽いといわれておりますが,私も何度か同じ質問をうけました.確かに,狭い意味での分娩の経過は2回目のほうが短時間でした.しかし私の場合,第1回分娩の時とてかるく,朝5時ごろから陣痛らしきものを感じ,朝食はゆうぜんととりはしたものの,9時頃入院する時は,廊下を歩くのもタイギなくらい分娩の経過が早く,ヤレ診察だの浣腸だのといっている間に1時間くらいはアッという間に過ぎ,陣痛室で一人でいた時間がいちばん長かったようにおもえたのも1時間くらいでした.分娩室に移って30分後には出産を終えていたようなわけで,本当に夢中だったという言葉がピッタリでした.
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