研究
北大産科新生児室における臍帯脱落日数に関する考察
月原 千賀子
,
大住 融子
,
今 ルエ
pp.20-24
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202533
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1.はじめに
産科領域における新生児保育の問題については最近とみに関心を集め,児の管理をめぐって種々論議されている.
当科では,長年にわたって,胎児および新生児の生理について多角的な検索が進められており,すでに多くの新しい知見が報告されているが,それは別としても,たとえば細菌感染症とくにブドウ球菌の感染は児の保育や管理の面で大きな地位を占めているといってもよい.つまり検索成績を参考として考えると,新生児が臍帯脱落までの間は臍帯根部の菌数が日増しに増加することと,その菌数が非常に多いことは明らかであって,われわれ助産婦としては,児の臍帯の処理や臍帯根部の消毒殺菌,あるいは乾燥の促進をはかって臍帯脱落を促がすことも,身近かな,そして案外見逃がされがちで,しかも大きな意義をもっている問題といえよう.
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