--------------------
新生兒臍帯切斷部位の臍帯脱落日數に及ぼす影響に就いて
小川 隆男
1
,
山田 達朗
1
1東京都立荒川産院
pp.266-268
発行日 1949年7月10日
Published Date 1949/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200225
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
母體と胎兒とは連絡し,胎盤と共に兒の生命發育に對し不可分な關係にある臍帯も,兒娩出後その第1呼吸と同時に,その存在的意義は全くなくなり,新生兒にとつては寧ろ厄介なものとなる.即ち,新生兒疾患の中で屡々兒の生命を脅かす臍壞疸,臍炎,臍膿漏,臍血管炎,更に續發症として,丹毒,敗血症,肺炎,腹膜炎,破傷風等の殆んど總べての病源體は臍から侵入するものであるから,臍帯脱落を出來るだけ早くすることは,臍感染防止上からも重要なことで,我々の忽かに出來ぬものである.
歴史的に觀ると,臍帯斷端の處置は人類特有のもので,その發達は文化の進歩に伴つているが,既にローマ時代から結紮糸として多くの紐が用いられ,その後絹糸が使用され,その他,腸線,ゴム紐,麻布紐,把持器,臍帯壓挫器等が用いられる様になつたが,我國に於ては古來より麻紐が多く使用されている.
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.