現代のカルテ
総裁公選で自民党に分裂論
永田町山人
pp.28
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202332
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自民党の総裁の任期は2年間と党則できめられているので,正確にはこの7月で池田総裁の任期が終り,改めて総裁を公選できめることになるわけだが,この総裁公選をめぐつて党内の空気は,悪気流のような雰囲気がただよい,舞台ウラの動きは,なかなか複雑な様相を示している.
まず大きく分けると,派閥争いのうちでも,党人派対官僚派というものがある.いうまでもなくこれまで岸前首相と池田首相は両氏とも官僚出身で,つまり官僚出身が2代つづいたことになる.それに今,次の政権を狙つている候補者のうちで本命とみられる佐藤栄作氏も官僚出身だから,もし池田首相の後に佐藤氏が総裁になれば官僚出身が3代つづくことになるので,「官僚政治がそんなにつづけば,官僚独特の形式一点ばりの冷たい政治になるから,このへんで生え抜きの政党人から総裁を出すべきだ」というのが,いわゆる党人派のいい分だ.
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