特集 新生児と未熟児の問題
新生児室のタイムスタデー
森 幸
1
1国立京都病院産婦人科
pp.68-72
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202314
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1.はじめに
病院の各職域においてタイムスタデーが実施されたなどという声を,時折小耳にはさむこの頃である.病院の外では好景気一色につつまれ,それに比べて,医療にたずさわる私共の世界には,どこ吹く風かと,きゆうきゆうとした毎日を喘いでいるさまは,何としたことだろうかと,つくづく考えさせられる.根本的な医療制度の盲点か,診療の複雑化か,問題は大きく,その解決点にはなかなか到達しない.特に産科病棟における悩みは大きく,産科専門職員の不足と多忙なあけくれ,安易な職場へと流れる傾向にある看護婦の気風と看護職員不足のゆきずまりなど,憂うべき悪循環の下に,山積された毎日の仕事を処理しなければならないのが現実である.このような時.どうにもならない,オーバワークの苦境を,このタイムスデーによつて業務量を測り,その措置への段階として方向付けが考えられる.この度私どももまた厚生省病院課より,産婦人科業務内容調査の指示を受け,昨年6月5日より11日まで1週間にわたつて実施したので,その一部を紹介し,これらについて日頃考えていることをのべ,皆様の御批判を仰ぎたい.
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