特集 新生児と未熟児の問題
新生児1分間観察
高橋 悦二郎
1
1愛育研究所小児科
pp.33-35
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202305
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新生児期は人生の芽生えである.従つてこの時期には些細な異常を早く発見して,処置をすることが大切である.些細な異常を早く発見するためには,厳重精細な観察を怠つてはならない.といつても,いたずらに時間をかけ,生まれたての新生児に負担をかけるようなことも,できるだけ慎しまなければならない.そこで手際よく,素早く,しかも異常を見落さないようにするために,どういう点に重点をおいたらよいか.名医は診察室に入つてくる子供の態度を見ただけで,診断を下し,予後の軽重がわかるという.経験を積んだ助産婦も,生まれ出ずる新生児を一瞬見ただけで,その予後がわかるというが,アプガールは新生児1分間観察を提唱し,予後判定の基準にしようとした.
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