連載 助産所経営の手引き・5
助産所の運営〔5〕
勝島 喜美
1
1国立公衆衛生院看護学部
pp.10-12
発行日 1961年12月1日
Published Date 1961/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202236
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4.環境の衛生的管理
助産所の環境が衛生的に管理されていることは,母子の身心に安らぎと満足感を与え,母親の恢復に,また新生児の発育によい結果をもたらす.その上,この環境の衛生的管理のありかたを母親並びにその家族が見聞し,体験することによつて衛生教育的な役割をもちたいものとねがう.
衛生的な気持よい環境とは,人体の生理的要求の条件を満足させることである.即ち,日照の保持につとめ,屋内気候条件をととのえ,清浄な空気の保持,適当なる採光及び人工照明の保持,静かさの保持などにつとめ,しかも,明朗で適度に個人生活が確立され,さらに,利用者がみんななごやかな良い気持で共同生活を営むことが出来るように管理すべきである.また生理的にいろいろの保護を余計必要とする新生児の生理に合つたありかたが母親のそれに対するよりも優先するものと考えられる.
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