連載 助産所経営の手引き・6
助産所の運営〔6〕
勝島 喜美
1
1公衆衛生院看護学部
pp.25-29
発行日 1962年1月1日
Published Date 1962/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202257
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5.業務の合理化
助産所を運営してゆくには,1日24時間というさだまつた時間を有効に活用する技術もしらなければならない.また作業もできるだけ効率よくおこなう技術もしらなければならない.時間の有効な活用法とは作業の時間を節約してえた20分あるいは10分という時間を有効に活用するものである.これにはまず第一にその時間でやりたいとおもつていることをはつきりすることである.われわれはとかく作業をいままでの惰性で考えもなくやつて,うかつにすごしていることがおおい.これをあらため,自分の仕事に新しい見とおしをもち,生活に新しい目標をたてて,時間をもつとも効果的に活用するよう心がけて努力すべきである.このように時間をうみだすには最善の作業のやり方を研究する.最善の作業のやり方とは,方法にむだがなく体力の消耗がすくなく,短時間でしかも経済的に作業をおこなうことである.ただし,助産婦業務は条件のことなる妊産婦,新生児を対象とし,すなわち人間を対象としており,また時間の一定しない分娩現象を対象としている業務の性質上,術者の精神的,身体的の疲労をすくなくして,効率をあげる作業のやり方を論ずることは困難である.しかし,われわれにも一般にいわれている身体的の負担をすくなくして,効率をあげる作業のやり方を研究する必要がある.
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