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発足した"婦婦ドック"をめぐって—東京5病院5保健組合の新らしい試み
pp.54-55
発行日 1960年10月1日
Published Date 1960/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202011
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妊産婦と新生児の死亡率の高さがとかく技術面にのみ関係づけられるきらいがあるにせよ,行政面の不備.殊に出産一般が健康保険の対象にならぬ不便が相当影響しているとの見方も日を追つて有力なものになつている.当然すぎる話ではあり,かつは対策が必要な現状なのだが,健保組合が費用を負担するという形で,妊婦の診療から分娩,産後治療に至る広汎な範囲の「妊婦ドック」が7月20日から誕生発足した事は,いろいろな意味で非常に目新らしい.地域的には,東京都内という事ではあり,しかも全てが試験的な事業として,半ば健保組合連合会のきもいり,半ばは有名病院と富裕な健保組合との私的な契約行為ではあるが,将来は当然ながら一層広く普及してゆくに違いないものであるだけに関係方面の話題となつている.
実施病院は,済生会中央病院,警察病院,聖路加病院,日赤武蔵野病院,関東中央病院の5病院.実施組合は三井健保組合をはじめ,三井物産,東京電力,安田,東京薬業の各健保組合であり,健保組連の自主的な企画を母胎とした連絡協議会が運営に当つてはいるが,試験的と断つてあるようにかなり融通のきく個別契約的な色彩がつよい.
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