--------------------
日本における養老院の趨勢について
瀬戸 新太郎
1
1厚生省社会局施設課
pp.41-44
発行日 1960年5月1日
Published Date 1960/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201908
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
(1)まえがき
近時老人問題に対する国民の関心は頓に昂り,老人福祉施策の樹立とその推進が強く要望されるに至つたが,その背景をなすものは一に老齢者人口の急増であり,二に社会経済事情の変動に基く老人の地位の変化であろう.
近年医学の進歩や公衆衛生等の向上によつて国民の平均寿命は年と共に伸び昭和33年には男65歳,女69歳となつた.これは大正時代の男42歳,女43歳に比較すると男で23年,女で26年の伸びとなり,戦後の昭和22年に比べても実に15年と急激な伸びを示している.(第1表参照)又,老齢人口について見ても昭和35年度においては,60歳以上の老人が総人口に対し8.8%(8.243千人)65歳以上が5.7%(5.338千人)であり,10年後には人口が1億に達しようとするが,そのときの人口の1割以上は60歳以上の老人である(第2表参照).
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.