特集 家族計画
私の受胎調節指導
高口 住子
1
1兵庫県日本助産婦会支部
pp.30-31
発行日 1959年5月1日
Published Date 1959/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201679
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何んだか初めて受胎調節指導委員になつた時私達の生活と反した仕事をする様な気がして.最初に指導者講習を受けながら,又県の主導部でありながら,自分自身がなかなか先んじてやる事が出来ない気持がして,それを気持よくこの道の者の気持になるまでに日時を要しました事は,おそらく私だけではなく皆様も同じ思いだつたと思います.でも今日では何の感情もなく,心ゆくばかりこの仕事に努力しているのが不思議の様な気がします.私の指導の一端を少しお話して御参考にして下さいますと幸です.一番に私は受胎調節指導を私達がしなければならない理由を皆様によく説明します.
そうでないと助産婦へ生まない事を聞くのはいけない様に思つて聞いて下さらない事です.そこで私は助産婦の私達がこんな事業に協力するのは人口問題だなど,むずかしい事でなく,私達の最も大切なお母様方の身を案じての事で,母体保護のために今の時代では不要な子供は生まない様に,又必要時には出産する様な時代なので,家族計画の一端も考えなければならない.最もよい調節の指導のない時はいたずらに掻爬が行われ,それに伴つて弊害の多い実例を取つて話します.余り度重ねて掻爬をすると,母体が大変に弱くなるし,お産する様な事が出来た時出血や胎盤の早期剥離等がある点など話します.
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