今月の表紙
分娩室の印象
pp.56
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201651
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先日木下正一先生の御好意でフランスの無痛分娩の試写会を見せていただいた.お産が恐しいものであるという意識を知らず知らずの中にうえつけられた女の子が成長して妊娠する.分娩に対する恐怖が持ち上る.所が5カ月から無痛分娩の講習を受け,まず徹底的に分娩が病気ではなく,生理であり,陣痛は子宮の筋肉の収縮であることを教えこまれ,頭の切り替えをさせられる.そして全く医師と呼吸のあつた分娩を行うまでの過程がえがかれている.すばらしい分娩であつた.あの苦痛にゆがんだ表情の一片すら見られなかつた.
分娩室——日本の女の人にとつてもこの分娩室の印象は大変かわつて来たようである.
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