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国際會議から教えられるもの
山本 二郎
1
1厚生省公衆衛生局
pp.38-40
発行日 1958年7月1日
Published Date 1958/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201506
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はしがき
去る3月17日から2週間,東京神田の学士会館において,WHOの主催のもとに,西太洋地域内の11カ国が集つて,性病予防セミナーが開かれた.内容は,各国代表者19人よりCoūntry paperと称する,その国の性病及びその対策の現況を発表し討論し合うものと並んで,梅毒の血清学的診断方法及び治療,ペニシリン抵抗性淋病及び非淋菌性尿道炎の診断,治療,性病の蔓延度の測定方法,ペニシリンシヨツク発生防止,売春防止と性病対策との関連等,特種の議題について,その道の専門家が所謂working Paperを発表し,それを皆で討論し合うもの等に分れた.つまりこのセミナーとは,会議研究集会と考えてよいと思われる.
今ここで,このセミナーで得たことの技術的な内容の一々を取上げようと云う意志はないが,俗に"会議屋"とでも称したい位のWHO或いはその他の国際機関が一体会議をどんなものに考えているのか,又どんな風にしてこの会議を進めてゆくか,会議の準備期間をどんな風に用いたかなど,一般的な"会議"のあり方といつたものを,会議参加者の印象記として綴りたいのが,本文のねらいである.
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