ときのことば
敦賀—伊勢ライン/第三の火
pp.52
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201354
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観光案内の遊覧コースではありません.日本の地図をひろげると本州の最も狭い部分が,敦賀湾——琵琶湖——伊勢湾を結ぶ地帯です.ところがこの線を中心に,いま日本列島はねじれるように年々移動していることが,建設省地理調査所(千薬県黒砂町)の調査でわかつたのです.伊豆半島,静岡,長野両県一帯は2〜3メートル北々西に動き,敦賀—伊勢湾の線では変化がありませんでした.また同線かち西の紀伊半島,四国にかけては,伊豆地方と逆に南々東に2〜3メートル動いているというのです.同調査所では敦賀—伊勢湾の線だけが動かないのは,ウラジオストツク方面からつづいている地震帯があるため,この部分だけが地殻が弱い,そのため東西の地殼の強いところがこの地帯に向つてしわよせ的に動き出したとみています.また全般的に,この線の東部は陸地が隆起し,西部は反対に沈んでいるともいわれています.
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