特集 産婦人科手術のポイント
VI.手術手技--産科
腹腔妊娠の手術
鳥越 正
1
1山口大
pp.1022-1023
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205322
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腹腔妊娠は子宮外妊娠の中できわめて稀なものではあるが,外妊の大部分を占める卵管妊娠のほとんどすべてが初期に中絶するのに対して,腹腔妊娠の多くは妊娠中期または末期まで持続し時には生児を得ることさえあり,そのほとんどは続発性腹腔妊娠とされている。
すなわち卵が卵管膨大部で受精した後,卵管腹口により近い部位に着床しやがて流産または破裂により腹腔内に排出されるが,胎盤の一部は卵管壁から剥離せずそのまま発育を続け,さらに広靱帯,子宮後面,大網,腸管などに着床面を拡大して発生するものであり,多くは卵管妊娠の中絶症状が先行するといわれる。
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