今月の臨床 産科出血―診断・治療のポイント
子宮外妊娠
4.腹腔妊娠
野口 靖之
1
,
若槻 明彦
1
1愛知医科大学産婦人科学教室
pp.35-37
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101937
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はじめに
子宮外妊娠は,子宮腔以外の場所に受精卵が着床し生育した状態と定義されているが,受精卵の着床部位により卵管妊娠,卵巣妊娠,腹膜妊娠に分類される.近年,低単位hCG測定法や経腟超音波断層法の普及により子宮外妊娠の早期診断が可能になった.腹腔妊娠は,診断がきわめて困難なため子宮内妊娠と誤認され妊娠管理されることもあったが,腹腔鏡手技の普及により妊娠初期に腹腔鏡検査ではじめて診断されるケースが増加してきている1).卵管妊娠であれば腹腔鏡下における妊娠部位の摘出が可能であるが,腹膜妊娠ではまずは腹腔鏡下での診断が重要である.
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