診察室より
最近の妊娠診断法
斉藤 正実
1
1関東逓信産婦人科
pp.38-39
発行日 1957年5月1日
Published Date 1957/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201267
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月経が1週間遅れたから,ひどいときには2〜3日おくれたが,妊娠でしようかと外来にやつてこられるのは我々産婦人科医の悩みの一つである.わが親愛なる助産婦諸姉も,こんな相談をうけて閉口することも度々あると思う.
殊に近年,受胎調節法が普及し,それにつれて一般の家庭の婦人にも排卵期というものがわかつて来たゝめ,また一つノイローゼの種がふえたわけである.前述の訴えをする患者の中には受胎調節をやつているのだが,実はちようど排卵期にコンドームが破れてしまつたものですからとか,主人が酒に酔つてしまつて排卵期だからというのに,サツクも間に合わないつて言うのですとか,腹が立つているのか,それとも,それ程でもないのか判断に苦しむようなことを仰言る方も少くない.
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