講座
家族計画と助産婦
pp.34-35
発行日 1956年10月1日
Published Date 1956/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201138
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家族計画の本来の趣旨は単に子供の数をへらすというだけでありません.母体の健康保護と,子供の幸福を目標とする家族計画(受胎調節)は,我国の現在の情勢では必要な問題であることはいうまでもないことであります.これによつて一家の経済がらくになり,従つて家庭の幸福も生れて来るものであります.ここに本問題が重視されるところであります.
今我国の出生率は30秒に1人の割で1カ年間には,富山県に相当する人口が増加しているのであります.これ等の自然増加が食糧の不足を来たし,また大きくは職業の過剰ともなり,就職難をもひき起して来るものでありますから,或る程度にこの人口増加を抑制することができれば,扶養控除も減少し税收入も増加して来ます.一方には毎年聞かされる,学童の増加による校舍の不足等の問題もある程度緩和されるから,此種の費用も他に転換して,国民全体の福祉施設に利用し得ることとなりましよう.
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