講座
産道について
竹内 繁喜
1
1都立築地産院
pp.23-31
発行日 1956年3月1日
Published Date 1956/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201018
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Ⅰ.まえがき
今更開き直る迄もなく,産科の目的は,母体を傷つける事なく,成熟健康児を安産させる事である.いいかえると,成熟胎児が無事に自然の産道を通つて生れて来る様にすることである.この分娩の難易を決定するものは産道の抵抗と,娩出力の強さで,産道の抵抗が少なく娩出力が強ければ分娩は易しく,この逆の場合は困難となる.
所で,娩出力は之を人工的に,或は薬剤で或は物理的操作で,強めたり弱めたり出来るが,産道の抵抗は先天又は後天的のもので,人工的には殆んどこれを加減する事が出来ない.
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