講座
助産婦のための育児相談室—咳の出る子供
木下 正一
pp.28-30
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200999
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咳が出るときに,よく考えてみると,何かノドの奥の方か,気管のあたりにいらいらするような感じがして,ゴホンゴホンと咳込んでくる.——それを何遍か繰りかえして,フツト痰が出るとサツパリした気持になり,それからしばらく咳が出ないという様な点がわかる場合がある.
元来咳は,咽頭・気管・気管支などの粘膜が何かに刺激されて,その刺激するものを払いのけようとして反射的に,発作的に起るものだといわれているのである.であるから,私たちが,誤つてゴハンツブなどを気道の方に吸いこんでしまつた時などには,ゴホンゴホンと激しく咳きこんで,それを払いだしてしまうと,もうそれつきり咳が出なくなるのである.ところが,気管などに炎症が起つていて,そのために絶えず粘液(痰)を分泌していたりする場合には,咳が出て痰が払い出された時は刺激が取去られるので,しばらく鎮まるが,また痰がたまつて刺激が加わるとまたまた咳込んでくるというような訳になるのである.
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