講座
助産婦のための育児相談室—便通の異常
木下 正一
pp.48-52
発行日 1956年6月1日
Published Date 1956/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201073
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赤ちやんの便 新生児が生後2〜3日間ぐらい胎便を排泄することは,あらためて記述するまでもないであろう.緑黒色・無臭・粘稠である.もしも黒褐色あるいは血液性の色調を呈する場合には,メレナかもしれないなと注意を要する.分娩時にすでに胎便を漏らしてしまつたような場合(骨盤位分娩)には,生後胎便の排出を見ないことがある.鎖肛や,その他の直腸・大腸の先天性の奇形や異常のたあに生後排便を見ない場合もあるから,新生児の排便についてはこのようなことも注意を怠らず観察する必要がある.
生後数日経つて,哺乳が順調となるに従つて便の性質は軟膏様・卵黄色となつてくるが,始めのうちは,乳様に傾き,回数もきわめて多いことがある.
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