講座
実地指導員としての助産婦の果す役割とその在り方
奈良林 祥
1
1杉並保健所
pp.18-24
発行日 1956年1月1日
Published Date 1956/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200979
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去る10月下旬東京に於て開かれた第5回国際家族計画会議の冐頭に於てマーガレツト・サンガー夫人が,「全国五万の助産婦の存在こそ日本の家族計画解決の鍵である」と挨拶された事は多くの反響と感銘を与えたのでありましたが,事実6日間の会議を通じ総ゆる会合に於て日本の助産婦,就中受胎調節実地指導員の事は良く話題にのぼりました.兎角従来その存在をすら忘れられ勝ちであつた実地指導員として助産婦の存在が漸く明るみに浮びあがり,世間の強い注目を浴びるに至らせたと云う点では確かに今度の会議は大きな意味があつたと云う事が出来ましよう.兎も角も,日本に於ける今後の家族計画(狭い意味で単に受胎調節と理解して頂いても差支えないでしよう)の普及竝に指導に関する限り,此の会議を機にその第一線を実地指導員に任せようと云う考え方が基本として略々常識化された事は喜ばしい事だと思います.
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