今月の臨床 妊婦と胎児の栄養管理
妊婦の体重管理
妊婦の体重管理
平松 祐司
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科・婦人科学
pp.268-271
発行日 2006年3月10日
Published Date 2006/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100049
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はじめに
妊娠中の至適体重増加を考える場合,体重が増えすぎることにより,あるいは体重増加が不十分なためにどのような周産期合併症が増加するかが決め手となる1).いずれの場合も種々の合併症が起こるが,わが国の出産年代女性はやせ願望が強く,年々やせの比率が増加している.厚生労働省の平成15年国民健康・栄養調査報告2)によれば,body mass index(BMI)18.5未満のやせの比率は20歳代女性では1983年14.6%,1993年17.1%,2003年23.4%であり,30歳代女性ではそれぞれ7.8%,8.6%,14.7%であり,特に最近のやせ女性増加が顕著である.一方,BMI25以上の肥満女性の頻度は20歳代では1983年8.7%,1993年6.8%,2003年8.1%であり,30歳代女性ではそれぞれ13.5%,12.0%,12.6%であり過去20年間大きな変化はない.
すなわち,個々の女性の食生活,体型,生活形態(運動量)は大きく異なっており,さらに時代とともに変化しているため画一的な指導は困難であり,個々の状況を把握したうえでの個別指導が重要となる.
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