短歌のまどい
最近の短歌誌から—(その1)
美山 藤野
pp.52-57
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200833
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短歌が現実に触発しておこる感動を捉えて,写し出きれた像を永久に止めておく事の出来る短詩型であり,古来よりその表現のあり方は,古いものより新しい形式へと移動していつても,内面的に心に触れあう一つの流れは,いつの時代にも変らず人心に脈搏つています.自己の心の中に,時折おこる,影,寂寥,虚無,近親の者への愛着,友愛意図,反省,世相批判など,心の記懐として止めおく事も,過ぎ去り行く時を惜しみて,後になつてなつかしく憶い浮ぶよすがともなりこの短詩型でうるおい深い生活が生れてくるものといえましよう.
最近の歌誌より以上の分類の方法で,歌を味うのも又興味があろうかと思い調べてみたものを挙げて見ましょう.
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