講座
妊婦診察上の注意—(その4)
木下 正一
pp.36-38
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200751
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内診について
内診は産科婦人科に特有の,しかも大切な診察法であるが,産科の1般原則として,内診がどうしても必要であると思われる場合だけ,すなわち,内診の適応がある場合のみに限つて行うべきものである.ここでは妊娠時の内診のことを記述するが,妊娠時だけに限らず,分娩時の内診についても,上記の原則は守らなければならない.
妊婦を診察する場合,初診の時には,私は大てい内診を行う.また妊娠の終末時期にも内診をしてみる.それによつて,子宮およびその周囲に異常がないかどうか,ことに産道に分娩障害となるような状態がないかどうかを,できるだけ詳細に知ろうとするのである。また妊娠終末期には,それと同時に分娩が何時頃はじまりそうであるかということを推定しようと試みるのである.(書きおとしたが,初診の際に内診を行うのは,果して妊娠であるか否かを診定する目的を以てすることもあるのである.)
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